日本赤十字看護大学、北海道大学、日本大学による研究調査の結果、経営や乳牛の状態が良い酪農家ほど、うつ病になりやすい傾向があることがわかりました。日本赤十字看護大学等などの研究グループが北海道内の酪農家81人を調査したところ、所得率や乳質が高い酪農家ほど、うつ病発症のリスクが高いことを確認しました。こうした経営を維持するために、過大なストレスがかかっている可能性があるとみられます。
研究グループは2018年10月、北海道内2町村の酪農家の男性80人、女性1人を対象に、米国の国立精神保健研究所が開発した手法でうつ症状のテストを実施しました。うつ病発症のリスクや症状があると評価された人の経営を分析したところ、リスクがない人より、(1)所得率が高い(2)濃厚飼料の給与量が多い(3)乳質が高い――ことを確認しました。北海道大学の加藤博美研究員は、所得率が高く、管理の行き届いた農場を運営するために、経営者や従業員の努力や負担が大きくなっていると推察しています。本研究成果は,2021年11月9日(火)公開のJournal of Dairy Science誌に掲載されました。
社会人・主婦の看護師志望者で研究に関心がある方々は、日本赤十字看護大学の受験も検討してみては。