昔から「手に職」という言葉があります。景気に左右されずに生涯安定した仕事をするためには「手に職」つまり「特殊技能や資格取得」が必要ということです。そして、今も看護医療職を目指す社会人・主婦の多くが「手に職」が欲しい、と言います。...ところが今、言われている「手に職」という考え方が以前とは少し違うことに気づいておられるでしょうか。以前は特殊技能や資格があれば一生食いっぱぐれない、という意味で使われてきました。でも、今、特殊技能や資格があれば必ずしも安泰というわけではありません。何の技能・資格を持っているのか、が大切なのです。
すなわち、多くの人が看護師や医療従事者を目指すのは単に「資格があると有利」ということではなく、「圧倒的に看護医療分野の社会的ニーズが高く、求人が多い」という事実に支えられています。ハローワークに行けば、介護士か看護師の求人票ばかりが目につき、特に看護師の求人は国家資格の強さもあって待遇も良く、絶対的な求人数が多いので「売り手」です。どこでどんなふうに働き、ときには、いつ休むのか、何歳まで働くのか、まである程度自分の裁量で決められるのです。つまり現代の「手に職」という考え方は社会的ニーズに支えられた特殊技能・資格取得についてだけ言えるのです。看護医療分野はその点で極めて有望な「手に職」時代がずっと続いています。(敏塾塾長 富士/2014年2月6日)