今回は志望校や受験の話題とはちょっと違うテーマです。お笑いが好きな方は、あちこちのインタビューや番組で取り上げられているので、ご存じのお話かもしれません。2019年末、M-1で優勝した漫才師ミルクボーイについてです。2016年、ツッコミの内海崇さんのお母様がくも膜下出血で倒れたときのことです。当初、お母様は3分の1の確率で助からないと言われ、もし助かったとしても後遺症やその後の介護のことを考えて内海さんはすぐに「芸人をやめよう」と考えたとか。
ところが、内海さんが病院に駆け付けると、担当看護師から、こんな話を知らされます。お母様が入院先の病院で目を覚まして、すぐに看護師さんに「息子が芸人や」と自慢したという話です。内海さんは、自分が芸人であることをここまで誇りに思ってくれている母親に芸人を辞めるとは言えず、漫才を頑張る決意をしたとのことです。
内海さん親子の愛情の強さを感じるのはもちろんですが、私はこの話を聞いて、看護師の役割について改めて考えました。看護師は当然、患者の心身の専門的ケアを行うのですが、病院内での患者の様子を家族に伝えるのも重要です。この内海さんに限らず、患者のことで家族も揺れ動いているのですから。患者だけではなく、家族も「助ける」「救う」人間性あふれる看護が大切です。そんな看護のできる看護師が、ミルクボーイのお母様、そして内海さんのそばには、いたようです。(敏塾 富士/2010,1,27)