看護大学の中でも聖路加国際大学の大学名は印象的です。なぜ「国際」大学と名乗るのか。その理由は様々な角度から説明できますが、私が最も驚いたのは、そもそも開学当初(1920年)から看護の科目は外国人教員によって行われていて、すべて英語だった、という事実です。学校が始まった頃から教室の言語もプリントも実習もすべて英語でした。
聖路加国際大学の大学史編纂・資料室によると、当時、日本では看護師は医者の小間使いとしかみなされず、「看護婦になるなんてもったいない」「どうして看護婦になるのにお金を払って学校に行く必要があるのだ」と進学を反対される時代でした。そんな看護の状態を一新し、看護師の地位を上げ、日本の看護指導者育成のためには、欧米から招いた外国人教員による指導が必要と考え、育成が行われました。だから、最初から、聖路加は「国際大学」なんです。第二次世界大戦をきっかけに授業は日本語に変わりましたが、今も開学当初の精神はずっと聖路加国際大学に根付いています。(参考:Lu-Bre聖路加国際大学発行)