紛争が続くシリアから逃れた人びとに医療を提供するため、隣国レバノンで活動してきた日本赤十字社の看護師が東京都内で帰国報告しました。レバノンでは、救急医療を受ける際にも20ドル(約2,200円)の初診料が掛かりますが、生活に困窮する難民の中にはそれが払えない人もおり、後払いも難しい状況です。「救急搬送されても診察を受けられず、そのまま息を引き取る」と、現地の厳しい医療事情を話しました。
看護師は名古屋第二赤十字病院の看護師長、関塚美穂さん。人口約460万人の3人に1人が難民とされるレバノンで、2016年10月~2017年3月、首都ベイルートの病院に設置された赤十字国際委員会(ICRC)の病棟で救急医療などに携わりました。交通事故で腕をけがしたシリア人の少年は、別の医療機関にかかり、不十分な治療で感染症になりましたが、費用が足りず、その後は治療を受けていませんでした。赤十字国際委員会(ICRC)は、紛争の武器使用による負傷は100%無料で診察。難民の救急医療でも48時間以内なら無料支援の対象となります。「心にも傷を負い、最初はこちらを見てもくれなかったが、治療を続けるうちに心を開いた」と話していました。
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