「長男の病気は妊娠中の自分の生活が悪かったせいでは」。宮崎弘美(41)=福島市=は一緒に死のうと長男に座布団をかぶせかけた-。一九九六年の秋。生まれたばかりの長男のお尻に血腫がみつかり手術を受けた。化膿(かのう)止めの抗生物質で下痢が止まらず、ろくに眠らせてもらえない。宮崎の心はパンクした。「われに返って情けなくなり大泣きした」と宮崎。この段階で産後うつ病の治療が必要だった可能性が高いが、当時その病気は認知されていなかった。
「出産後に心の病で苦しむ女性の情報や相談先があれば」。二〇〇四年、産後うつ病の情報を提供するサイト「ママブルーネットワーク」(同名で検索)を開設した。《産後うつ病は出産した女性の10~15%が発症し、産後三~六カ月に多いとされる。産後のメンタルケアは重視されていなかったが、〇三年に精神科医らが研究会を立ち上げるなど認知されつつある》多くの女性にとって「産後」は通過点。新生児を抱え、自分をいたわる余裕もなく生活に追われる。公的な支援も不十分。それを知る宮崎は水先案内人として立ち続ける。「人生の節目はつまずきやすい。でも正しい治療や相談の船に乗れれば大丈夫。一人で恐れることはない」くわしくは東京新聞(敏塾パソコン版/敏塾携帯モバイル版でもどうぞ)
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