新型コロナウイルスの感染拡大を受け、PCR検査の調整などに当たる保健所への過重な負担が続いています。保健所設置数は1990年代からほぼ半減し、感染症に対応する専門職の保健師も減少傾向にあります。識者は「パンデミック(世界的流行)に対応できる体制ではなかった」と指摘します。
1994年の地域保健法制定に伴い保健所の統廃合が全国で進み、母子保健など住民に身近なサービスは市町村で、広域的な専門業務は保健所で担うようになりました。設置数は1994年の847ヶ所から、2020年には469ヶ所と4割強減りました。この間、市町村勤務の保健師が約2倍になったのに対し、保健所勤務の保健師は7,000~8,000人前後で推移してきました。保健所の統廃合について、浜松医科大学の尾島俊之教授(公衆衛生学)は「広い視野で仕事を進めやすくなった半面、感染症に対応する専門職は減少し、個々の患者への対応力は落ちた」と分析。「パンデミックを想定した訓練も行われてきたが、十分な体制にはなっていなかった」と話しました。
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