国の認可前の新薬を患者に使用し、効果や安全性を確かめる「治験」を、北海道室蘭市内の病院で広く行えるようにと、元看護師の治験コーディネーター阿部実保子さん（39）が専門の会社を設立し、奔走している。「高齢化が進むマチだからこそできることがある」と、製薬会社と医療現場、患者のパイプ役を担っている。

製薬会社は従来、参加者を確保しやすい大都市で治験を行っていた。近年は電子メールなどで病院と簡単にデータをやりとりできるため、より広くデータを集めようと多様な地域で実施。室蘭は寒冷地であり、高齢化率が30%を超え生活習慣病患者が多く、複数ある総合病院の協力体制も整っており、治験に適しているという。

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