まだ志望理由書は書かないで!
志望理由書を提出する前に、次の文章を読んで下さい。
次に読んでいただくのは、ある受験生の志望理由書です。
少しだけプライバシーに関する部分を●で伏せたり、書き直しましたが
許可を得て、ほとんど、原文のままです。
読んでみてください。
読んだ後、ひとつ質問をします。
志望理由書
1996年、私は●●大学●●学部●●学科に入学しました。●●を学ぶために進学したのですが、大学3年の5月に、母の心臓の持病が悪化し、寝たきりの状態となってしまいました。元から父親は亡くなっており、私は家族と協力して母の面倒を見なければならなくなりました。また、これまで母が働いて、家族の生計を立ててきたため、私が働く必要がありました。
私は、その状況の中、3年の単位はすべて取り、4年を前に、学業を1年休学する手続きをとりました。そして、母が元気だった頃に勤務していた会社で手伝いをすることで、生計を立て、家族との交代で母の看護もするという毎日となりました。
決して楽な日々とは言えませんでしたが、病院の中で長く過ごすことで、医療現場で働く人々のプロ意識と技術にふれることができました。
病院にいるときには、私は、薬を母に定時に服用させることが日課となっていました。私は、たった一人、母親だけを見ているのに、その日課をこなすことは決してやさしくはなく、多くの種類の薬剤を食前、食間、食後に、決まった数だけ服用させることの難しさを感じていました。それぞれの薬には当然、意味があり、服用を遅らせたり、忘れたりすると、大変なことになります。
それなのに、病院内の看護師は、少ない人数で、多くの患者に、それぞれの病状に合わせた薬を投与するだけではなく、点滴や便の処理、ベッドの清掃までこなし、さらに、隣の病室である患者さんが亡くなられた時には、亡くなられた遺体への化粧や、家族の方々への配慮などを気丈に行っている姿に、私は人間の命を大切にすることの本当の意味を教えられた気がしました。
また、看護師と共に多くの医師が母の病状を常にチェックし、細かな心遣いをしてくださっているのにも気づきました。病院の医者というと、患者の診察をいすに座ってしている姿しか、私には想像がつかなかったのですが、入院患者だけでなく、付き添いの家族や担当看護師にも、さまざまな気遣いをし、それが高度な知識と技術に支えられていることに感銘を受けました。
その翌年、私は母の病状が少し回復したこともあり、大学に復学することになりましたが、病院内で得た医療現場への情熱は冷めることがなく、人のために尽くしたい、私も医療現場に専門の職域を持ち、母を診てくださった人々と同じように多くの人々のお手伝いをしたい、と考えるようになっていました。
そして、昨年、大学を卒業した後より、すぐに、医学部学士編入を志すようになったのです。私は、医療現場で患者の皆さんのお手伝いをするには、医師だけではなく、多くの人々との連携が不可欠だと考えています。高度な先進医療を支えるのは、人と人とのつながりであって、そこには、医師、看護士、医療系スペシャリスト、そして、患者本人や家族、見舞客までを含むものだと思います。すべての人々の支えがあってこそ、患者の本来持つ回復力も発揮され、医療も正常に機能するのです。
私は、そのような考えを持ち、人と人とのつながりを大切にする医師となりたいと思い、貴校医学部3年次学士編入を希望致します。
では、あなたに質問です。
これは、合格する志望理由書ですか? 落ちる志望理由書ですか?
答えです。
この志望理由書は「最低レベル」「下の下」です。
こんな志望理由書を出してしまったら、
せっかく英語や他の科目の受験勉強を頑張っていても、
すべての努力が台無しになりかねません。
面接もかなり厳しいです。
なぜでしょうか?
答えは、社会人入試対策専門塾の敏塾が教えます。
あなたも受験を決めたら、
志望理由書を出す前に、お早めにご相談を。